キツネをめぐる冒険

英語圏で SHINee を追いかける和訳アーカイブ

SHINee "Dream Girl" を語る【動画編】『ビルボードUSA』130313

SHINeeMelon大賞を獲ったのが5年前の今日(*北米時間)だということを、ブロガーさんの記事で教えていただきました。5年遅れだけど本当におめでとう。素晴らしい人たちにたくさんの祝福と愛を。

さて、二度に分けて訳してきた同じ年の『ビルボード』誌の "Dream Girl" インタビュー(前編後編)ですが、付属動画インタビューがありましたので、こちらも載せてみますね。ミノ氏がすごくいい顔する瞬間があるので、よかったらそこだけでも見てください(4:10付近)

いつもどおり、韓国語わかる方はそのままお願いします。以下、英語字幕からの重訳です。

 

Billboard 独占インタビュー SHINee "Dream Girl"を語る

3/13/2013

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最近リリースしたフルアルバムの簡単な紹介をお願いします。

ジョン ぼくらのサードアルバム[Misconceptions series]は二部構成で「第一章」「第二章」から成っています。最初のリリース「第一章」ではなによりもSHINee らしい特徴を打ち出そうと力を尽くしました。

リスナーのみなさんにもそれがちゃんと伝わっているようで、満足しています。アルバムを作るときはいつもなにかが足りないという思いで取り組みます。今回のリリースについても、みなさんからいただく感想が次のアルバムを作る上で非常に助けになっていくはずです。[みんなうなずく]

トラックリスト全体がせつない音楽やビートでできていることが感じられると思います。「第一章」にはたがいによく似合う曲を詰め込みました。すべての曲が一体となって、全体としてまとまりをもったかたちのアルバムが作れたと思います。

「第二章」はこれまでお見せしてこなかったSHINeeの一面を見せています。それから「第二章」の “Spoiler” *1という曲はいわゆるネタばらしで、歌詞[ジョン作詞]自体がアルバムのトラックをすべて紹介するかたちになっています。

 

これまでたくさんの国際的なソングライターと仕事をされてきましたが、海外やUSマーケットに進出する計画はありますか?

f:id:littleprincesfox:20181114135042p:plain テミン [海外進出のような]特に決まった目標があって国際的なアーティストと仕事をしてきたわけではありません。そういった作曲家さんたちと仕事をしてきたのは、自分たちをほかのアーティストと差別化したいと思ったからですね。聞いてくださる方が、「ほかとは違っていたい」という目標をぼくらがもっていることを理解してくださっていて、本当にありがたい気持ちになります。機会があったら、海外のファンの方たちにももっとお会いしたいと思いますし、アメリカに進出するということもあるかもしれません。

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SHINeeがコラボしたいと思う国際的なアーティストはいますか?

ジョン 芸術面でも音楽面でも力を持った才能あるアーティストがたくさんいらっしゃいますから、いっしょにお仕事できたら素晴らしい機会になると思うんですけど。

キー ぼくらがこれまで考えもしなかったような新しいカラーを見つけてくださるような方とコラボレーションしてみたいですね。だれか特定のこの方ということではなくて、ぼくらと気が合って、いっしょに何かすごいものを作れるような方と仕事をしたい、それだけですね。

 

SHINeeの振り付けや舞台演出はほぼ完全無欠といえますが、どんな努力をされていますか?[雑誌記事とほぼ同じ内容ですが、言葉遣いがだいぶ違っています]

ミノ コンサートや公演の準備をするときは自分たちが至らないと思うところを何度も練習して埋めていきます。ステージ上の演出やどう演じるかについても、納得できるまで、意見や考えをたくさん出し合います。舞台に立つときにはいつもぼくらにしか出せない色をお見せしたいと思っているんです。見ていてくださる方がそう[完璧だと]思ってくださるのは、それが理由じゃないかと思っています。

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海外公演でいちばん思い出に残った場面やファンとの出会いはありますか。今後、どんな国で公演したいですか?

ジョン たくさんの場所に行きましたが、どこへ行ってもファンのみなさんがものすごく応援してくださって素晴らしい経験をさせていただいてます。だからどこか一つの国を選ぶんじゃなくて、ぜんぶの経験が忘れがたいんです。

ミノ ひとつひとつのコンサート、ショーケース、すべての経験が、ぼくらの記憶に永遠に刻まれてます。*2

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ジョン 南米に行ってないんですよね。だからすごく行きたいです。米国やヨーロッパには行きましたが、南米はまだ。

ミノ そうですよね。機会があったら南米に行きたいです。すごい経験になると思うんです。[ジョン うんうん]

キー ヨーロッパのコンサートは想像以上でしたよね。正直「こんなことが可能なのか」って思いましたもん。だからもし南米でもそういった反応があるんだったら、本当に公演してみたいですね。

 

海外で公演して、K-POPフィーバーを実感しましたか?

テミン いつも海外で公演するとすぐフィードバックが返ってくるんですね。そういう時代なので、言葉の違いにもかかわらず、ぼくらの音楽が遠くのファンに伝わるんだということに深く胸を打たれます。

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デビューしてからもう5年ですが、どんなふうに感じますか?

ジョン 音楽番組に出ると、そこでお会いする先輩ってもうムン・ヒジュンさんとキム・テウさんくらいなんですよ。あっという間に時間がたくさん経ってしまって。時間が経つのがどんどん速くなってる気がします。年中休みなしで公演しつづけていますから。

 

アイドル・アーティストとして生きるのは大変ではありませんか?

キー アイドルが大変だとは思いませんけど、みなさんとおんなじで、仕事をもっていると日々試練はありますよね。そういうのって大変だけど、アイドルだからよけい苦しんでるみたいなことじゃないと思うんですよ。

ジョン たくさんの方が愛してくださるし、興味をもってくださるんで、みなさんからいただくもののほうが多いですね。それを贈り物だと思っています。

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SHINeeは現在、第一線にいるわけですが、将来の目標としてはどんなことを思い描いていますか?

ジョン 数字的なことではなく、SHINee の5人はぼくらだけの特質を見つけ出すことを目標にしています。今年は韓国でたくさんのプロモーション活動を予定しています。最高の SHINee を期待して待っていてくださるファンのみなさんに納得していただけるよう、全力を尽くします。

 

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オニュ サード・アルバムでぼくらをもっとお見せできると思います。国内のファンのみなさんにも、海外のみなさんにも、気に入っていただけたら嬉しいです。以上、輝くSHINeeでした。ありがとうございました!

 

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+++++++++++以上++++++++++++++

 

 

 

記事のほうが内容が詳しかったですが、動いて喋ってるのを見るとやっぱり気持ちが入ってるところがわかっていいですね。あと記事版と動画を比べると記事の方の編集っぷりがわかる……

 

さて、ここで大事なお知らせ&お詫びです。Misconceptions シリーズのクレジットをネットで探して読んでいて、今ごろやっと気づいたんですが、このアルバム、テディ・ライリーが参加してるトラックが3つもあるんですね!(遅いよ!何ボヤボヤしてるのあたし!) 

テディ・ライリーといえば80年代末〜90年代 R&B /ニュージャックスウィングの神様ともいえるプロデューサーで、マイケル・ジャクソンのアルバム DangerousInvincible をプロデュースした張本人。それ以外に育てたアーティストも山ほどいますね(SHINee つながりで言えばアッシャーとか)。MJコネクションの話するなら、スルーしちゃいけなかった! ごめんなさい。

あぁでも、ジョンくんは神様と仕事してたんだね。よかったぁ。よかったよ(涙

っていうか Billboard さん、そういうとこ、もっとちゃんと突っ込んで聞いて下さい。なんのための音楽誌なのよ。

テディは SHINee のこのアルバムでは "Beautiful" "SHINe (Medusa I)" "Dangerous (Medusa II)" の作曲に参加。

特に "Dangerous" (ジョン作詞)はタイトルからして、マイケルの "Dangerous" へのオマージュソングですね。歌詞もマイケルの曲と同じで、危険な匂いのする女の子(メドゥーサ?)に翻弄される話。

もうひとつ。テミンのファーストフルアルバム Press It に入ってる "벌써 (Already)" がジョンくんとテディ・ライリーの共作だってことも知りました。この曲って、テミンが「この曲くれるまで動かないんだからな」ってホテルのジョンくんの部屋のベッドに寝そべって駄々こねたって逸話の名曲ですよね。ジョンくんのコーラスも甘くてすんばらしくて全ワタシが号泣。

Already

Already

  • provided courtesy of iTunes

 

そのテディが一時代を築き上げたニュージャックスウィング (NJS) というジャンルについてはこちらのまとめをぜひぜひご覧下さい。いくつか音源を聞いたら、SHINee ファンなら「おお!なるほど!」と思うはず。

SHINee にもわかりやすいNJSジャンルの曲がありますね。"1 of 1"。このスムーズで軽やかなのに、どこか過剰で濃ゆい感じ、おぼえておいて下さい。2016年10月です。

www.youtube.com

それからこのビデオを見ましょう。ね!ね!同じジャンルでしょ!コテコテで最高でしょ!

この曲を含むブルーノ・マーズのアルバム 24K Magic が出たのが2016年11月*3。つまりSHINeeブルーノ・マーズは同時期にニュージャックスウィングのリバイバルやってたってわけです*4 。わーい! 素晴らしすぎますよね。SHINee の音楽を聞いてて楽しいのはそういうところだよ。

 

さて、ここから大事な話です。

実はこのブルーノ・マーズのニュージャックスウィング・リバイバル作を手がけたプロデューサーグループ The Stereotypes は SHINeeとも仕事をしています

- Odd Eye (ODD, 2015) 

- Don't Stop (1 of 1, 2016)  

- テミンの Press Your Number (Press It, 2016) 
これはブルーノ作曲だから自然な流れ。

-  Lock You Down (Story of Light, 2018)

 

リスト最後の曲を見つけたとき、正直わたし、崩折れました。

The Stereotypes はニーヨやジャスティン・ビーバーブルーノ・マーズを手がける一方で、最近はK-POPやJ-POPの仕事もたくさんされてる方たちですが(参照)その彼らが特別なこの曲の面倒を見てくれたことに勝手に愛を感じています。そこにジョンへの敬愛があったことを。

MJからテディ・ライリー、ニュージャックスウィング(本家とリバイバル)、そして The Stereotypes へ。そんな話ができる SHINee って素晴らしすぎる。

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131115 Keystagram "OH HAPPY DAY"

 

 

 

💎和訳記事インデックス

*1:第一章orリパケ版の間違い?

*2:文字だけで読むと優等生回答に見えるかもしれないけど、ジョンもミノも本当にいい顔してて、本気なんだなって分かります。

*3:この動画の"Finesse" (Remix ft. Cardi B) はリミックス版なので後発、2018年1月です。

*4:ほかのK-POPアーティストのNJS曲まとめはこちらを参照。