キツネをめぐる冒険

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テミンが自分の両性的美しさをもう謝罪したりしない理由【前編】『allure』190315

こんばんは〜! T1001101(通称TMIコン)も大盛況のうちに終えたテミンさんですが、なんとファッション誌のビューティー欄に独占インタビューが載りました。『allure』本国アメリカ版です。すごいすごい。

しかも、テーマは男性メイク! 女の子っぽいと言われることがコンプレックスだったテミンが、両性的美しさを自分の個性として完全に受け容れるまで。

ちょっと長いので、今回は前半。テミンの紹介から、生まれて初めてのメイク体験やソロデビュー当時のメイクを振り返るところまでを和訳します。

 

 

 

テミンが自分の両性的美しさをもう謝罪したりしない理由  

この「マスカラと男性性(Mascara & Masculinity)」特集記事では、 K-POP スターのテミンがなぜ男性性のスタンダードなど存在しないと思うか、彼自身のキャリアにとってメイクがどのように役立っているかを語ってくれた。

デヴォン・エイベルマン『allure (New York)』3/15/2019 

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メイクアップと男性性は互いに相入れないものではない。その事実はやっと完全に表明されるようになった。カラフルに、しかも堂々と。あなたのアイデンティティがなんであろうと、あなたには恥じも隠れもせず、美しさとたわむれる権利がある。メイクはあらゆる人のためのもの。わたしたち allure が「マスカラと男性性特集」で祝福したいのは、その一点だけだ。この特集記事では、男性や、男性と自認する人たちに、どうやってメイクと恋に落ちたかを語ってもらった。それから、美しさや自分自身と関係を築くうえで大切なアイテムについても。
 

 

ちょっと言わせて。スモーキー・アイは男子にとって依然魅力を失っていない。25歳の大人気 K-POP スター、テミンにとって、まぶたに贅沢に広げられた煤(すす)のような黒いシャドウは、彼ならではの二面性を強調するのに役立っている。テミンは流れるようなコリオグラフィーや茶目っ気ある性格、そして官能的な楽曲を通じて(本人の言葉を借りれば)“セクシーだけれど純粋な”イメージで知られるようになった。なかでもドラマティックなアイメイクは、テミンの印象深いオーラを強めている。そして、もちろんそれは、とことん意図的なものなのだ。 

「ステージ上でパフォーマンスをするアーティストとして、自分の感情を表現しようと努力していますし、自分の内にある考えをお客さんに見える外見を通じて伝えようと努めています」そうテミンは説明する。「だから、メイクをするときは目をきちんと強調してもらっているところはあるかもしれません」

多くの方にとって、テミンは紹介もいらないはず。でも、必要な方のために、念のためご説明しますね。2008年、当時15歳[※厳密には14歳]のテミンは K-POP グループ SHINee の最年少メンバー、かつカリスマ的メイン・ダンサーとしてデビュー。5人組はまたたく間に業界で最も影響力をもつアーティストに成長し、なかでもテミンはその両性的美しさで傑出することになった。若い頃には美しい長髪があまりにも注目されてしまい、2012年のテレビ番組で「かわいすぎて(too pretty)ごめんなさい」と冗談めかして謝ったこともある。でも、輝かしいキャリアを10年以上築きあげたいま、テミンはもう自分の両性的美しさを謝罪したりはしない。髪は短くなったかもしれないが、その圧倒的パフォーマンスのなかに男性性と女性性を結実させる方法をわがものとしつつあるのだから。もしあなたが今日初めてテミンのことを聞いたなら、いま説明していることを一気に理解するために、テミンのとてつもなく人気のあるソロ曲 “MOVE” の MV を見てみることを強くお薦めしたい。

 

3月15日から17日にかけてソウルの SK オリンピック・ハンドボール場で開催されるソロ・コンサートの準備期間中、テミンは休憩時間をとって、メイクアップが彼の輝かしいキャリアをどう形作ってきたか、なぜ男性性のスタンダードのようなものは存在しないと信じるのかを話してくれた。

 

 

テミン・スターター・キット 

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もちろんブラックのアイシャドウとアイライナー。 

 

 

 

あのころの経験

テミンがメイクに関する初めての思い出を教えてくれたとき、私はデジャ・ヴュに襲われてしまった。テミンも私と同じように、12歳くらいのとき、写真撮影のために初めてメイクに手を出したというのだ。まぁ、私の場合は学校の記念写真で、テミンは学校ではなかったけれど。

それはテミンが SM エンターテイメントの練習生だったころ、プロフィール写真を撮ってもらったときのことだった。どんな製品を使ったかはさだかではないが、初めてメイクしたときのことははっきり記憶に刻まれているという。「仮面をかぶっているように感じました。付け心地が悪いとかそういう意味じゃなくて、かっこいいんだけど、同時にちょっと見慣れない感じというか」テミンはそう回想する。「外見が変わると自分の態度も少し変わったように感じたんです」 ちなみに私の場合は、南フロリダの私立学校で卒業アルバム写真を撮ってもらう前、トイレにかけこんで、目のきわにぐるりと黒のアイライナーを入れ、マスカラをひと塗りしたのがそう。学校にはリップグロス以外は付けてくるなと言われていたけど、私はちゃんとした記念写真のためなら、張り切ってにじんだアイラインを入れちゃうような、芝居がかったティーンだった。

テミンはその3年後にデビューすると、メイクがコンセプトや音楽の雰囲気を伝える方法のひとつなのだと気づく。「メイクを利用するようになって、アーティストとしてのイメージを構築する必要性をもっと感じるようになりました。衣装、髪型、メイクを総合して作り上げられるシナジーには本当にすごいものがあります。だから、メイクはこれまでも、いまも、これからも、アーティストとしてぼくのアイデンティティを確立するための鍵となる要素なんです」 

 

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なかでも大胆なアイメイクへの関心は、2014年に最初のソロ・シングル “Danger” をリリースしたときに高まったもの。「ダークなアイライナーや黒のスモーキー・アイシャドウをたくさん使ったのを覚えています」とテミンは打ち明けてくれた。この曲の MV ではメタリックな暗灰色やアスファルト色のシャドウがブレンドされ、まぶた全体に広げられている。深いシャドウがブリーチした眉毛のすぐ下まで完全に広がっていることもあれば、鋭い上向きの翼形にかたどられていることもある。

SHINee で活動するときのフレッシュなメイクと比較すると、テミンのソロ美学は驚くほど暗く、強烈だ。それはテミン本人も最初ショックを受けたほどだという。「濃いアイメイクをしてもらって、しばらく鏡を見つめ続けていたことをはっきり覚えてます。ぼくにとってすごく新しいことだったんです」□(後編につづく)

    

写真・記事出典 www.allure.com+++++++++++以上++++++++++++

 

 

テミンがメイクについて語るのって、ちょっと面白いですよね。後編では男性性(masculinity)についてテミンが熱く語ります。

 

 

そんなテミンさんのアイメイクが素敵な写真♡

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出典 SHINee is love

 

 

今回コンサートの写真も少し。

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出典 INTAEMIN

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出典 WIN THE GAME

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出典 kindergarten

とにかく素材が最高級だからメイクさんも楽しいだろうなぁ。

 

 

 

ファンカムも2つだけご紹介させてください。

★ Danger ⇒ Sherlockメドレー

"Danger" (怪盗)から "Sherlock" (探偵)っていう超ナイスなメドレーなんですけど、斜面ダンスで身体が傾いてるところを見ると、MJファンとしては "Smooth Criminal" を思い出さざるを得ないんです! MJの曲も「抜け目ない犯罪者」という意味で、しっかりテーマがつながってるし。うまい演出ですよね。

MJ "Smooth Criminal" のゼロ・グラヴィティって技。

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今回コンサートのお衣装にもMJ風のがありました。

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出典 Win the game

"WANT" ティーザーでも MJ がコンセプトのひとつじゃないかとは言われていたので、きっちりまとめてきた感があります。よきよき。

 

 

 

★もうひとつ、"Back To You" VCR がまんま「星の王子さま」コンセプトでした。ガラスケースで大事にしていた愛しい薔薇がそう。

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出典 www.laboutiquedupetitprince.com

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出典 태민 bot (@bt_LeeTaemin)

 

それから鳥(ハト)は王子を地球に連れてきてくれた渡り鳥から来てるのかな。それにしてもこの王子、麗しいことこの上ない。

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出典 @bt_LeeTaemin

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出典 www.laboutiquedupetitprince.com 

 

物語では、星の王子が愛しい薔薇に会うため自分の星に帰ろうとして(←まさに"Back To You")砂漠の毒ヘビの「力を借りる」んですが、テミンの VCR ではヘビの代わりに甲虫が登場しています(テミン的にはヘビより虫の方が致命的ってことですかね?)

動画の最後に出てくる "Adieu, dit-il" 「さようならと王子は言った」は原文フランス語からの引用です。


会場では薔薇のかたちのソープが配られたそうで、これもこのコンセプトですよね〜。

星の王子さま」といえば、SHINee の "Good Evening" "I Want You" はもちろん、キーくんの "Forever Yours" "I Wanna Be" にもコンセプトとして出てきていたし、オニュさんの "Blue" MV にも「ガラスケースの薔薇」が登場していました。こういうさりげないところに SHINee の団結を感じて、ぐっと来ちゃうんですよね。もちろんそれがジョンくんにつながっていることも。

 

 

★そして、やっぱりミノは来てくれた♡

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出典 https://twitter.com/SMTOWNGLOBAL/status/1107458954408255488SMTOWNGLOBAL

 

"WANT" 振付のウォーキングをしながら帰っていくミノが愛おしくてたまらない件。ミノのこの温かさが果てしなく好きなんですけど、もうどうしたらいいでしょうか。知らんわ

 

やっぱり SHINee って最高。

 

 

このコンサート、どこかで放映されたり円盤化されたりしますよね? そして近々また音源を出してくれそうなのが、ひたすら楽しみです。

かわいいテムちゃんの air kiss を眺めながら、今日はおやすみなさい。どうか、よい一週間になりますように。

 

 

3/19追記 【後編】訳しました。

 

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