テミンが語るーアルバム MOVE、ジェンダー・ステレオタイプ、K-POPの境界を押し広げること『ビルボードUSA』171025
こんばんは!
テミン WANT 発売に合わせて前作 MOVE を振り返るシリーズ。今日は第三弾インタビューをお届けします。先に言っておくと、これ、すっごくおもしろいです!
テミンの発言には色をつけておきますので、お忙しい方はそこだけも読んでみてください。WANT のティーザーにも通じる要素が出てきますよ〜。では早速どうぞ!
テミンが語る ー アルバム MOVE、ジェンダー・ステレオタイプ、K-POPの境界を押し広げること
テイマー・ハーマン『ビルボードUSA(K-Town)』10/25/2017
「K-POPとはこんなものだという典型的な認識を乗り越えたかったんです」
一見したところ、テミンは K-POP スターの典型そのものだ。音楽性と同じくらいヴィジュアルに重点を置く業界で9年もの年月を過ごし、風格をそなえ、磨き上げられてきた。そのテミンが音楽性とヴィジュアルを兼ね備えた K-POP スターだということは間違いない。だが、本人と話してみると、明るい笑顔や少年のような魅力とは裏腹に、このミュージシャンは内省的な性格の人物なのだということがわかってくる。テミンは十代のころから築いてきた自らのキャリアを問い直しているのだ。
Billboard のインタビューに答えたテミンは、新曲についてこう語ってくれた。「K-POPとはこんなものだという典型的な認識を乗り越えたかったんです。“MOVE” では、いわゆる K-POP よりもエッジの立った、力強いコンセプトを打ち出せたと思っています。それから、K-POP の世界から出てくるふつうの曲とは違って、性差(ジェンダー)に関係なく、どんなリスナーにもこの曲を楽しんで聞いていただけると信じています」
SHINee のメンバーによる最新シングル “MOVE” は、繊細な官能性をそなえた、レトロ・ヴァイブを感じさせる R&B 曲で、K-POP の限界を押し広げようと試みる野心作だ。Billboard ワールド・アルバム・チャートで3位を記録した アルバム MOVE のリード曲であり、リリースに合わせてコリオグラフィーに重点を置いたミュージック・ビデオが3種類も公開されている。そして、この作品で 24才の韓国人アーティストはジェンダーのステレオタイプを打破し、K-POP の芸術性にまつわる限界を突破しようとしている。
"MOVE” は当初、アルバムからのシングルカット候補曲ではなかった。テミンが Bサイド曲[になった] “Love” をリード曲にするという当初の案を却下したのだ。その理由は、“Love” では希望するような独自性を打ち出すことができないとテミンが感じたため。結果として、マイケル・ジャクソンやジョージ・マイケルといったアーティストの輝きを思い起こさせる80年代的装飾音とグルーヴィーなリズムをそなえた “MOVE” は、その催眠的なダンス・ムーブともあいまって、韓国大衆音楽が進むべき方向性の音楽を切り開く、テミン最新の試みになっている。
韓国でトップクラスの人気を誇るボーイバンドのメンバーであり、K-POP 界の巨大事務所 SM エンターテイメントの契約下にあるテミンが、この業界の先入観を問い直すというと、意外に思われる方もいるかもしれない。だが、実はこの前向き思考の実験的態度こそ、SHINee をはじめとする SMアーティストがこれほど長い間、業界のトップに立ってこられた秘訣でもある。
「(2008年の SHINee としての)デビューのころから、いつも新しいことにチャレンジする人になりたいという考えをもっていました。その気持ちがソロ活動にも生きています。新しいものに挑戦できる人でありたいと常に思っているんです。もっと実験したいし、違った音楽スタイルや要素にもチャレンジしたいですし、まわりの人たちがやっていないことを取り入れたいんです。K-POP 音楽界に良い影響を与えられる人でありたい」
テミンが日本人振付家・菅原小春や女性ダンサーたちと作り上げた “MOVE” のコリオグラフィーは滑らかな動きから成っており、最近の K-POP パフォーマンスにありがちな迫力たっぷりの身振りが欠けている。だが、テミンに言わせればそれは意図的な選択だ。このスターは自身のしなやかな身体を出発点として利用し、多くのK-POPダンスに象徴されるジェンダー規範[訳注:「男はこうだ、女はこうだ」というルール]を無効化する。「ぼくの目標は、男性的な動きと女性的な動きを両方とも振り付けに盛り込むことで、中間地点をみつけることです」
「ぼくはダンサー体型をしています。そんなに男っぽくもなく、筋骨隆々でもありません。それをうまく利用したいと思ったんです。コリオグラフィーに繊細さを加えることで、バレエ・ダンサーの動きのような柔らかい線を作り出せるのではないかと考えました。男性パフォーマーはこういうものを見せるべきだとか、ガールグループはこういうパフォーマンスをするものだという先入観を打ち壊したかったんです。そういうラベルを本気で壊したかった。そして、ダンスは芸術の一形態なんだということをお見せしたかったんです」
三種類のミュージックビデオ(それぞれアンサンブル、ソロ、デュオでのパフォーマンスにフォーカスしたもの)を一度に発表したのも、テミンが “MOVE” の異なる要素を見せるためにやってみたかったことだという。「ちょっと欲張りましたよね」 そう認めて、テミンは恥ずかしそうに笑う。「派手な動きよりも、ニュアンスを音楽に足していくことに注力したんです。戦略的な判断でもありました。振り付けが真似できそうでありながら同時にできないように見せるために」
ダンスのステレオタイプを打破しようという試みにくわえて、 “MOVE” のMVにはマスクで顔を隠したシーンがある。それは K-POP 業界が現在のようにアーティストたちの容姿にこだわる世界でなくなるように、というテミンのヴィジョンのあらわれだ。このアイディアは部分的にはテミンの敬愛する Sia の「顔のない」音楽性(もちろんごくまれに彼女も顔を出すこともあるが)からヒントを得ている。「外見は本当にどうでもいいということをファンのみなさんに心から理解してほしかったんです。K-POP ファンのなかには容姿や外見に反応しがちな人がたくさんいます。でも、Sia の影響を受けて、外見よりもぼくが内面から作り上げたもののほうが大事だということを、ファンに分かってほしいと思ったんです」
テミンは K-POP アーティストの姿を多角的に見せたいというパーソナルな希望から活動しているが、音楽スタイルやパフォーマンスの幅を広げたいというとき、テミンが見据えているのは、どんな人気も永遠には続かないという展望でもある。韓国音楽は国際的なシーンにおいて存在感を増してきてはいるものの、 その勢いも永久に続くわけではない、とこのアーティストは言う。
「K−POP はすでにスポットライトを浴びていますし、人気絶頂といってもいいレベルにあります。将来的にはいずれその人気が下降する転換点が訪れるでしょう。だから、ぼくをふくめ、多くのアーティストたちは、これまでやってきたことだけを頑張るのではなく、多様な音楽スタイルや新たな要素をマーケットにもたらすことを考える必要があると思うんです。ぼくらは K-POP をいまより音楽的に安定した、揺るがないものに発展させていくことを目標にすべきなんです」■
画像・記事出典 www.billboard.com
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テミン、かっこよすぎてつらい……
しつこいですがナンバー1ファンの方。
出典 colorofshiningstars
個人的には、なぜマスクをかぶるのかってところがおもしろかったです。
K-POP 最高峰のヴィジュアルでありながら、外見よりも中身が大事だと言ってしまえるテミン。K-POP の外見偏重を批判してしまえるテミン。しかもそれがどうやら WANT にまで一貫して出てきてるっていう。
こういう人だから、イケメンにあぐらをかかず、努力を積み上げてこられるんだなってあらためて思います。ほんと尊い。わたしのスター。
Grazia Korea のインスタに今日掲載されたばかりのグラビア撮影動画もぜひ見てくださいね! このアミアミがテミンの大事なコンセプトだと思いながら見ると、ひときわ味わい深いです。ただセクシーなだけじゃなかったんだね…… ←むしろそこしか考えてなかった(恥
ちなみに Sia(シーア)は白黒カツラが代名詞になっているオーストラリア人女性アーティスト。
カツラで顔を隠している理由は、以前別名でデビューして「そこそこ成功」したときに顔出しストレスに苦しんでアルコール&薬物中毒になってしまったから。それに「現代の音楽業界にはミステリーが足りない」と気づいて、こういう「顔のない」ミステリアスなアイデンティティ表現になったと語っています。
Sia - Cheap Thrills ft. Sean Paul (Lyric Video)
日本では土屋太鳳ちゃんが現代ダンスを披露したMVでも知られているかな?
Sia 『アライヴ feat. 土屋太鳳 / Alive feat. Tao Tsuchiya』
太鳳ちゃんのビデオもそうですが、Sia の MV はもともとモダンダンスや身体表現をフィーチャーしたものが多くて、そういう意味でも、テミンが Sia を意識しているのはストンと腑に落ちるんですよね。それでマスクかぁ……
そんなテミンの身体表現集。
BTSジミンちゃんとのこのダンスバトル(2016年)もすごかったですよね。
ふたりとも神パフォーマーだし、なのに性格がふわふわしてて可愛いすぎるし、もうどうしようっていう......
(どうでもいいんですけど、わたし、ジミンちゃんが何もないところでコケる動画集とかいくらでも見ていられます。もう、うちのお豆腐リーダーをしのぐくらいのお豆腐っぷりなの。なのに歌もダンスも神がかってるし、性格もかわいいし、がんばりやさんだし、まったくおそろしい子……)
"MOVE" といえば、ソンミさんと共演したこのステージ版も素敵でした。
キーくんはソンミ・ファンだと言っていたことがありましたよね。このキリッとしたたたずまい。なんだか分かる気がします。
さて、新作 WANT ですが、今日もティーザーが発表されております。あぁ良き。
TAEMIN 태민 The 2nd Mini Album ‘WANT’
— SHINee (@SHINee) February 7, 2019
🎧2019.02.11. 6PM (KST)
👉https://t.co/hRj4isorkn#태민 #TAEMIN #샤이니 #SHINee #WANT pic.twitter.com/36qADdzdIE
ここまでのティーザーをまとめてご覧になりたい方はこちらのページへ行ってみてくださいね。随時更新されていて便利ですよ。
★突然ですが、シャヲル連絡網です!
2/11 夜8時のテミンのショーケース V LIVE 生中継用リンクがすでにできていました。こちらからブックマークしてくださいね! わーい。
★おまけ
この方はバレンタインデーにSMステーション新曲(MVあり)を発表してくれるそうです♡ 今日はミノとテミンが Key Land にちょっと挨拶しに来たという噂(ふたりとも忙しいからすぐ帰ったとのこと)で、忙しいのに落ち合ってるみんなが愛おしいです。
(`ㅂ´*)「Coldという曲は友達と作り僕が歌詞を書き冬に聴くのがいいR&B曲です」【日本語字幕】
— チェリスマ (@mh___1209) February 7, 2019
@/smtownstation
🔗 https://t.co/K5NapMEr0D#SHINee #샤이니 #키 pic.twitter.com/2Q8A0Bmi6B
あぁいよいよ楽しみになってきましたね。
今日も読んで下さってありがとうございました。
『ビルボード』記事で振り返る MOVE シリーズ
*次回は動画インタビュー編をお送りします。過去記事はこちら。