キツネをめぐる冒険

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オニュ、VOICE発売  "BLUE" MV 気づいた点まとめ

あぁ、ついにオニュさんの VOICE がリリースされましたね。"BLUE" が思ってた以上に重みのある曲で、すっかり打ちのめされています。

一方、キーくんの日本語ミニアルバム「Hologram ホログラム」の情報も解禁になりました。「ホログラム」も良いタイトルですが、"One of Those Nights" の邦題が「群青の夜」って……素晴らしすぎじゃないですか。詩的だし。ただの青じゃないんだよ、群青だよ。Wikipediaさんに聞いてきたら「和名の群青は『青の集まり』という意味である」って。青がいっぱい。これ、まさにいまの状況。

でも、本当はきっと「いつも」そう。いつも青がいっぱい。なのに強いふりしたりしてる。

 

 

さて、オニュさんの "BLUE" MVについて気づいたことがあるので、メモしておきたいと思います。といっても、感情的に持っていかれすぎてしんどいので、簡単に事実だけ書きます(これを読んでいるかたも、ちょっとムリ!って思ったらそこでやめてくださいね)。解釈はしません。読んでくださった方が、「あ、それ気づかなかった」という点がひとつでもあればうれしいです。

 

 

歌詞こちらを参照させていただきました。

静かな 

この瞬間 僕の全てを感じて 孤独の喜びが分かる気がする

青い夜、遠くで僕を呼ぶものは 光なのか暗闇なのか [引用元

「青い夜」という言葉にびっくりしたのはわたしだけじゃないと思います。

大きなテーマとしては「絶対的な孤独」みたいなものがあって、そのことだけ考えると絶望して息が詰まりそうではありますが、でも、ひとり(孤独)になってみると、そこには自分は自分でしかないことの充足感もたしかにあることに気づく。まわりがどうであっても、自分の道を歩くしかないという覚悟も生まれる、という内容でもあります。

「青い夜」のあの人も、同じように歩いていたのかな。

 

 

MV 冒頭、暗くがらんどうの部屋。ホコリが被った机にレコードや本。

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部屋の窓から嵐の前夜のような暗い空がみえる。基本的に画面は暗い。

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目を覚ますオニュ。世間から置いていかれて、世捨て人のように生きている雰囲気。だれもまわりにいない。

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暗い空に彗星が走るのが見える ※歌詞には「青い光、君は僕に似て」とある

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光をたしかに目に刻むオニュ

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オニュの部屋にはクリスタルと、5面の鏡がある。

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暗い色のクリスタルを手に持ち、彗星(青い光)に呼ばれるように出かけていくオニュ

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歩いていくオニュ。空に走る光(この彗星の色が個人的には見ていてつらい)

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足元は水。冷たさや心細さを感じる一方で、彗星と同じ色の、もっと小さな光がここにあることにも気づく。

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歩いていくと奇妙なものに出会う。風船に閉じ込められた白い美しい魚たち。でもこのままでは息もできず死んでしまいそう。

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ガラスケースに植えられた白いバラ。彗星と同じ光を発しているけれど、魚と同じように、閉塞感や儚さを感じる。両方とも美しいが、管理され、不自然な空間に閉じ込められ、展示されている。ちなみに白いバラが象徴するのは「無垢(無罪)」「純粋」。

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責めるような目でオニュを見る人たち。だけど目は布で覆われていて、オニュのことがちゃんと見えているのか定かではない。(12/7 追記 こちらのMVメイキング動画で「匿名のサイバー空間で自分は目を隠し他の人を見つめる視線」とオニュさんみずから解説しています。ネチズンってことですね)

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特に左端の女性は胸に穴が開いていて、そこから命の光が漏れ出してしまっている。

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突然、目の前に誰かがいるのを発見

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その人が振り返ると、自分(オニュ)で、しかも泣いている。悲痛な様子。

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え、なんでぼく? なにがあったの。

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気づくと「もうひとりの自分」の涙をかぶったかのように、自分の体がずぶ濡れになっている

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顔をあげると「もうひとりの自分」は何も言わず消えてしまっている

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気配がして振り返ると

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人びとが非難するようにそびえ立っていて、押しつぶされそう

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でもその向こうから光がやってくる

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光をクリスタルに受け止めたオニュ

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(歌うオニュの背景)パールアクア色のオーロラが出ている

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(光を受け止めると同時に、恐ろしい人びとは消えている)

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行くべき場所はどこか

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家だ。心なしか前より荒れてしまってはいるけれど。

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家に帰り、涙を浮かべるオニュ

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そして、光をもったクリスタルを “それがあるべき場所” に置く。5つの面をもった鏡の前に。

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5面の鏡が光を映して、ほんの少し明るくなる部屋

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MVラストシーン。暗闇が戻っている。また最初からの繰り返し。また光を探しに行くんだろう。

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長くなりましたが、気づいた点は以上です。

余計な脚注をひとつ書いておきます。いらない方は無視して下さい⇒*1

 

 

SMのスタッフさんが、"BLUE" をタイトル曲に選ぶ上で決定的だった曲として、オニュさんの James Ingram "Forever More" のカバーを挙げていらっしゃるようなんですが、たしかに「わたしの最後の48時間」(最近見た!)でも、ミノがオニュに「昔ヒョンと一緒に練習したよね、こんなに暗い曲だったっけ?」なんて言ってました。

 

これがそのカバー。暗いなかに、雨雲のふちが少しだけ光るみたいな、優しさがにじむ。たしかに絶品です。

 

 "BLUE" はもっと暗くて、かんたんに希望を差し出してくれるようなものでもないけれど(だから聞いていてつらいけれど)でも、力強さを感じますよね。甘ったるいポップスじゃなくて、こういう曲でソロ・デビューしたオニュさん……。筋を通して、これからもずっと歌っていくんだって覚悟を示したかったのかなと思いました。

 

チャートアクションばかり気にしても仕方ないですが、iTunesでは日本を含む世界23カ国でピーク1位を取っていて、USでも総合5位まで上がったと聞いて、これちょっとすごいんじゃない、と思っています。

 

ものすごいアルバムですよね。やっぱり、オニュはオニュという名の楽器、だと思う。

お気に入りとか簡単に言える感じじゃなくて……ちょっとまだしばらく打ちのめされる予定です。

 

 

 

 

12/6 追記 iTunes チャート1位は25カ国まで増えたそうです。参照:

news.kstyle.com↓↓ 余計な脚注、注意。

 

*1:このアルバムの発売日はオニュが謹慎後、謝罪文を出してから、ちょうど一年に当たります。歌詞にも「若さの痛みとその沈黙」という言葉が。